名勝・天橋立を望む宮津では、湾内に船の帆柱が立ち並ぶほどの盛況ぶりだったといわれています。その後、明治時代にかけて、日本海でも有数の北前船主であった岩滝村(現・与謝野町)の小室とくぞうはっぞうやまがや徳蔵・初蔵の山家屋に代表されるように、豊かな財力に支えられた海運業者が活躍しました。さらに、現在も丹後を代表する特産である「丹後ちりめん」は、江戸中期に始まった地域の伝統的な繊維産業です。ちりめんは、京都西陣の製で、独特のシボと風合いを持つのが特徴です。この織物は、本場京都の市場を脅かすまでに発展しました。江戸後期に入ると、幕府や各藩の財政状況は厳しくなり、村落では凶作や飢饉により、百姓一揆が相次いで起こりました。その中でも文政五年に宮津藩領で起きた文政一揆は、藩政批判をともなった大事件で、その経過や首謀者の悲劇は複数の物語や記録となりました。円頓寺は、用明天皇の皇子・麻呂子親王が造立した薬師伝承の寺院。国重要文化財である薬師如来像及び両脇侍像は、穏やかな作風で、平安期の作とされています。ほかに裏山の通称「山の神」に作られた経塚から熊野十二社権現懸仏や銅経筒(いずれも府指定文化財)が出土しました。円頓寺(京丹後市久美浜町十楽)から本願寺は奈良時代の高僧・行基が開創したといわれる寺院です。本堂(国指定重要文化財)は、鎌倉時代に作られたもので、入母屋造りの檜皮葺き。細い柱や屋根の緩い勾配などに平安時代の名残を伝える、丹後で最古の木造建造物、唯一の中世仏堂です。ほかに木造阿弥陀如来立像(府指定文化財)、絹本著色当麻曼陀羅図(府指定文化財)、中世の古文書(府登録文化財)、後白河法皇の勅使を迎えるために建立したとされる鎌倉期の勅使門(市指定文化財)など、多くの文化財を所蔵しています。
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