「へえ、男物にしてはカラフルですね。赤、青、黄色……まるで信号みたいだなあ」史上最低の比喩である。確かにポールースミスの特徴はユニークなカラーリングにあるわけだけど、それにしても信号はないよね。「このお店、派手でいいっスね。浅草橋の洋品店もいいけど、ここもいいなあ」――比較しないでほしい。「豹のイラストが入ったやつとかないんですか?」−−恥ずかしい。ポールースミスのショップは、イギリスの古い店から仕入れたホンモノの家具や道具で統一されている。神戸の店はイギリスの薬屋、東京の店はチョコレート店にあったものをまんま使っている。古いものと新しいものが同じ空間にあることが、とてもカッコいい。「あの、ちょっと聞きたいんですが。ここはニセモノとかまじってます?」ちょっと目を離したすきに、あのバカ、マヌカンに失礼なことを聞いている。ちょっと、こっちきなさいよ。「いてっててて。耳ひっぱんないでくださいよ。カツオじゃないんだから」