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新しい生活のスタート

彼らはロマニー語という独自の言語をもっているが、ジプシー同士の会話の分析や調査を進めていくうち、ロマニー語がある時期のサンスクリット語に極めて似ていることが発見されたのである。いわゆるジプシー・インド起源説で、一〇世紀前後に「本籍」のインドの西北部を出て、流浪の生活をはじめているという見方が強くなっている。しかし長い中世の歴史の流れの中で、差別や迫害をうけつつ、さまざまな民族とのかかわりあい、交じりあいをくり返しながら、現在に至っているのは言うまでもない。ジプシーの職業はさまざまである。ある研究、調査によると、それは道路の舗装、縁石づくり、屋根ふき、ペンキ塗りといった作業から、野菜や果物の収穫、ビートの手入れなどの農作業、手作りのレースや造花、かごの行商まで幅広い。ロンドンやパリの街頭で、造花をつき出され困惑した経験をもつ観光客も多いだろう。彼らは季節や場所に応じて仕事を選び、チームワークよく家族総出でとりかかるのである。そして春が来て、花が綻び鳥がさえずりだせば、新しい定住地を求めて移動をはじめるグループもある。新しい仕事を求めながらの新しい生活のスタートである。なぜジプシーは定住しないのだろうか。